トラックパッドを日々使用しているMacユーザーの皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
2009年にMacBookユーザーとなってからというもの、何年もの間、トラックパッドというものを探求し続けてきたわけですが、
今回の記事で、全MacBookユーザーのトラックパッド体験を一歩前へ押し進めたいと思います。
タイトルにMacBookと表記しましたが、Magic Trackpadを使用しているMacユーザーの方にももちろん対応しておりますのでご安心ください。
data-ad-slot="8806407289">
トラックパッドによるクリック操作について
Macにはトラックパッドという優れたインターフェイスが存在します。
複数本の指にも反応し、スクロールからページめくり、フルスクリーンアプリ間の移動まで、まるで氷の上を滑っているかのようにスイスイやってのけるあの一枚板です。
OS Xとのタッグは本当に最強です。
しかし、薄々感じていた方もいらっしゃるかもしれませんが、この子はどうもあの原始的な操作には弱いようです。
そう、クリック操作です。
マウスのカチカチ鳴るボタンと違い、一枚板のタップやダブルタップは頻繁にやりすぎると指が痙攣しそうな気がしてきます。
かといって感圧フィードバックのないトラックパッドを押し込むクリックは、そこそこの力が必要で重々しく、あまり使いたいものでもなかったります。
3年前に書いた
「【Mac】トラックパッドでドラッグをする方法を4種類ご紹介!」
という記事は嬉しいことに当ブログで二番目の人気記事になりましたが、
やはりそれだけ多くのMacユーザーが、トラックパッドでのクリックに関した操作(ドラッグ・ドロップ)に多少なりとも不満を抱いている証拠なのではないでしょうか。
探求の結果
僕は6,7年ほど前からトラックパッドでいかに快適なクリック生活を送るかを模索してきました。
ときには二刀流に行き着いたり、
ときには精密操作をする手段を編み出したり、
ときにはApple社に発破をかけたり、
ときには指輪型デバイスを考案して妄想に浸り、
挙げ句の果てには、自作ドッキングステーションで無理やりMacBookスタイルを実現するなど。
Magic Trackpad & Apple Wireless Keyboard用 「手作りドッキングステーション」をご紹介
二刀流の記事を書いた頃にはすでに見出していたんですが、
トラックパッドでクリック操作を快適にするための第一条件は
「マウスポインタの移動操作とクリック操作を引き離すこと」です。
この2種類の操作を一本の指でやろうとするから煩わしくなるんです。
(※マウスは腕の移動と指のクリックに分かれている)
僕が苦労したのはこの先でした。
マウスポインタの移動はトラックパッドをなでればいいとして、
あとは「クリック操作を何に代用させるか」が重要になってきます。
上記の「精密操作をする方法」で紹介しているのは「右手でポインタ移動、左手でパッド上をクリック」なんですが、
これの欠点は、両手ともキーボードから離れてしまうため、作業効率が落ちてしまうことです。
そして今回ご紹介するのが(前置きが長くなりました)、
僕の知る限り、最もクリックの代用に適した方法です。
ひとつのキーをクリックとして利用
トラックパッド上でのクリックがよろしくないのなら、キーボードのキーをクリックに使えればOKなわけです。
言うまでもなく、トラックパッドを押し込むより、キーを押し込むほうがはるかに楽です。
そこで使用するのが「Karabiner」というキーリマップ系としては大御所?のMacアプリです。
無料というのが今でも信じられないんですが、Macユーザーで使っている方は多いんじゃないでしょうか。
そして数あるKarabinerの機能の中でも、拡張機能(デフォルトはOFF)として提供されている「ThumbSense」がクリック代替の最適解なんです。
ThumbSenseはどんな機能?
ではThumbSenseとはどんな機能なんでしょうか。
まず前提としてKarabinerがバックグラウンドで動作している必要があります。
その上で、トラックパッドに触れると起動、離すと終了します。
要するにトラックパッドに触れている間だけ有効になる機能です。
名前にThumbが付いているので、本来は親指のタッチでキーボードの機能を拡張させるのを意図したものだと思われます。
そしてThumbSenseが有効になると、いくつかのキーがテキスト入力ではなく、機能を発動するキーに変身します。
その中でFとJキーが「クリック」として機能するようになります。
これが僕が今回ご紹介したかったもの。
Fキーによるクリックが果てしなく快適
ThumbSenseの概要はお分かりいただけたでしょうか。
トラックパッドの代わりにF/Jキーでクリックできるようになると、もう病み付きになります。
メリットを箇条書きにすると以下のとおり。
・トラックパッド単体よりもクリック操作がはるかに安定する。
・片方の手をキーボードから離す手間がない。
・ホームポジションで必ず人差し指を添えるF/Jキーは、最もクリックに適している。
・トラックパッドに触れている時のみ有効なため、タイピングと干渉しづらい。
クリックはもちろん、ドラッグ&ドロップ、文字列の選択など、どんな操作もマウスを使うように安定します。
右手でトラックパッドを触るなら左手でFキー、その逆ならJキーでクリックということになります。
もうかれこれ2年以上設定していますが、これなしではやってられないですね。
最初の設定の手間を差し引いて余りあるほどのメリットです。
ThumbSense設定の4つの手順
それでは設定方法です。
①まずはKarabinerの公式サイトからインストールしてください。
そしてウインドウを開いたら、
②上にあるタブの一番左側「Misc & Uninstall」を選択。
③そのタブ内の「Helper Applications」項目の「Launch “multi-touch extension”」ボタンをクリック。
するとマルチタッチエクステンションのウインドウが開きます。
④Behavior項目の一番上「1 finger」と書かれているところにチェックを入れれば設定完了です。
ステータスメッセージのOFFがおすすめ
ここまでの設定ですと、トラックパッドに触れるたびに画面右下にステータスメッセージが表示されてしまいます。
はじめはThumbSenseの動作タイミングの確認にいいかもしれませんが、スクリーンショットにも写りますし、
消したくなってくると思います。
その場合、Karabinerウインドウの「Status Message」タブの
一番上のチェックを外せば表示されなくなります。
OSをクリーンインストールしたあと、Karabinerを再設定するときにこの設定がどこだったか忘れてしまい、
探すのに苦労したので忘れないようにしておくといいかもしれません。
他のキーの機能
F/Jキー以外にも機能が割り当てられています。
・D/K 右クリック
・S/L スクロールホイールを動かす
・G/H 戻る/進む (Command+[,}に同じ)
・W ウインドウを閉じる
詳しくはGitHubに公開されている「thumbsense.xml」をご覧ください。
では良いMacライフを!
はじめまして。Macユーザーで、こちらの記事を読ませていただいてワクワクしました。しかし、mojaveだと使えないのでしょうか?karabinerでThumbSense設定をしましたが、できませんでした・・・
もし、なにかご存知でしたらご教授いただけたらありがたいです。
この設定とてつもなく快適なんですよ、本当に。
でもSierraの仕様変更にともない、Karabiner ElementsではThumbsenseが削除されてしまいました。
これだけでもOSをアップデートしたことを悔やんだほどで、今後も搭載されるかはわかりません。
未だに切望しています…
今さらですが追記しました。ありがとうございます。
最近ThumbSenseが復活したんですね。
ここで返事をする前にKarabinerの設定項目、公式サイトをチェックし、「karabiner elements thumbsense」でググって調べた上で「ThumbSenseは復活してない」と判断しました。
ところが後日アップデート通知にて「Multi-touch extension」という見覚えのある機能があったので公式サイトDocumentを精査してみると「ThumbSense」の文字が。
v12.6.9で搭載されたようですが、アップデートしているはずの僕のKarabinerはv12.6.0止まり、更新ボタン押してもアップデートされないのでv12.7.0をサイトからダウンロードするほどでした。
設定方法はComplex modificationsタブでThumbSenseのルールをimportしてenableにします。
何年ぶりの復活でしょうか、我が魂が歓喜しています。